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中国人民大学報告「中国経済には強い弾力性と強靭性」
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中国人民大学国家発展・戦略研究院が11月30日に発表した「2019-2020年中国マクロ経済報告━━構造調整の難関攻略期における中国マクロ経済」によると、今年は中国マクロ経済の柔軟性と強靭性が全面的に立ち現れた年だったという。
同大の劉元春副学長は、「2019年に中国内外の経済下ぶれ圧力に直面して、中国は一方では『6つの安定』政策を通じて積極的に対応し、マクロ政策の周期に逆行した調整の力を強化した。また一方では各種改革措置を次々に打ち出して成長のポテンシャルを高め、マクロ経済運営の全体的な安定を確保した。中国経済の各方面では下ぶれ圧力が強まり、経済成長率は鈍化したにもかかわらず、『6つの安定』措置は予想を上回る成果を上げた。中国マクロ経済は中国内外の要因の挟み撃ちに合いながら予想を超えた安定を維持し、過去1年あまりのグローバル経済の低迷と中米貿易摩擦による『圧力』を持ちこたえ、中国経済の弾力性と強靭性を十分に示した」と述べた。
劉氏によると、「グローバル経済の低迷期の挑戦に直面して、多くの悲観論者は中国経済に対し過度に悲観的な予測を打ち出している。しかし事実が証明するように、この1年間、中国のハイテク企業は依然として好調な経営業績と発展傾向を維持した。貿易成長率はプラス成長を維持し、対外貿易の安定がほぼ実現した。外資系企業の直接投資と外貨準備が目に見えて反転し、外貨の安定がほぼ実現した。同時に、中国の重大金融リスク難関攻略戦が段階的な勝利を収めた。ビジネス環境は改善を続け、起業・イノベーションの熱意が高まり、都市部の雇用状況は全体的に安定し、個人の収入が速い伸びを維持した」という。
また劉氏は、「中国経済は極めて強いリスク対抗力を示し、多くの悲観論者が予測したような極端な現象が出現しなかっただけでなく、世界の主要エコノミーの動きに比べ、中国の経済成長は引き続き先を行き優位性を維持している」と述べた。
2020年の中国経済はどうなるだろうか。劉氏は、「中国の制度的メリットが持続的に発揮されるのにともない、2020年のマクロ経済は下ぶれ傾向が緩和され、下ぶれの幅が2019年より目に見えて縮小するとみられる。同時に、マクロ経済運営の中には多くの積極的な要因が存在し、非常に重視するとともに突き固め、育成することを強化する価値がある」と述べた。
劉氏は次の3点を挙げた。「第一に、中国共産党第19期中央委員会第4回全体会議の精神が全面的に実施されるのにともない、中国の制度的メリットが全面的に向上する。第二に、金融リスク解消の難関攻略戦が段階的な勝利を収めるのにともない、金融環境が目に見えて改善する。第三に、企業の適応性の調整がほぼ実現し、信頼感が目に見えて回復する。同時に、外部からの攻撃に対応するためにスタートした各種戦略が関連機関の有効なニーズを効果的に向上させ、優れたけん引効果を生む。このほか、グローバル自動車周期が反転するのにともない、中国自動車市場が安定に向かうとみられる」。
また劉氏は、「豚肉の供給が平常に戻るのにともない、豚肉価格が低下してマクロ政策に余地を提供し、国民の消費への期待を改善する。同時に、インフラ投資が持続的に改善され、国有企業の投資が持続的に上昇し、民間企業家の期待が改善される中で、2020年には民間投資が底辺をうろうろしていた困難な状況から脱却する。中国には巨大な市場があり、多様化した輸出ルートがあり、整った産業があり、豊富な人的資源もある。こうした要因は20年の中国経済の柔軟性と強靭性をより一層強化できるものだ」と述べた。
劉氏は、「制度的メリットの向上、短期的な周期的パワーの反転、周期に逆行した政策の強化、中国経済の柔軟性と強靭性の強化により、20年の中国経済の鈍化幅は大幅に縮小することを決定づけたといえる。そのため、私たちは20年の中国経済を過度に悲観する必要はない」と述べた。
「人民網日本語版」