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世界が注目する今年の中国両会5つの「キーワード」
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2020年の全国両会(全国人民代表大会・全国人民政治協商会議)タイムが21日に幕を開けた。特殊な時期に開催される今年の両会は世界中の注目を集める。国際社会が注目する両会の「キーワード」は何だろうか。
キーワード1:経済運営
新型コロナウイルス感染症が世界経済に深刻な打撃を与えた。国際通貨基金(IMF)の予測では、20年の世界経済の成長率は前年比3%減少し、1930年代の世界大恐慌以降で最も深刻なグローバル経済の衰退になるという。国際社会は世界2位のエコノミーである中国が両会期間にどのような経済政策のシグナルを出すかに、非常に注目している。
ロシア開発対外経済銀行(VEB)調査・鑑定研究所の「中国とユーラシア経済連合(EEU)の発展」の課題責任者であるセルゲイ・ツィプラコフ氏は、「中国が経済復興をどのように促進するかに非常に注目している。それにはどのような金融政策・通貨政策を推進するか、経済発展の計画、今年の経済成長率の予測、及びインフラ建設における投資などが含まれる」と述べた。
フランスのパリ第8大学のピエール・ピカール教授は、「中国経済の回復が全面的に加速しつつあり、これはグローバル経済の振興にプラスであり、世界の投資家と消費者に信頼感を与えるものだ。世界はこれまでのどの時よりもさらに中国の両会、中国の経済的成果に注目している」との見方を示した。
キーワード2:全面的な小康社会
今年は中国の小康社会(ややゆとりのある社会)の全面的な完成の勝敗を決める年であり、貧困脱却の難関攻略の年だ。国際社会が広く関心を寄せるのは、突如襲来した新型肺炎の中で、中国がどのようにして目標の実現を確保し、人類の貧困削減と発展の歴史の上で新たな1ページを刻むかということだ。
ドイツのベルリン・プロイセン協会のフォルカー・チアプク名誉会長は、「中国は感染症の抑制で素晴らしい危機対応を行った。両会は中国のこれからしばらくの間の政治・経済政策を計画する場になるだろうし、中国の貧困脱却の難関攻略、小康社会の全面的な完成という目標は感染症の影響を受けておらず、感染症は中国の力強い発展プロセスにおける一つのエピソードに過ぎないと確信する」と述べた。
メキシコのノティメックス通信のサンジュアナ・マルティネス社長は、「メキシコと中国はともに発展途上国であり、中国の発展と貧困削減の経験はメキシコにとって大いに参考になる。そのため、今年の両会で、ノティメックスは中国の貧困脱却の取り組み、農村の発展などの話題に非常に注目する」と述べた。
キーワード3:公衆衛生
新型コロナウイルス感染症は第二次世界大戦の終了以降で最も深刻な世界的な公衆衛生上の緊急事態だ。中国が自国の公衆衛生システムをどのように整備するか、世界の公衆衛生ガバナンスにどのように寄与するかということも、国際社会が関心を寄せる両会の議題だ。
欧州研究国際センター(International Centre for European Studies)欧州-中国プロジェクト責任者を務めるギリシャの研究者ジョージ・ツォゴポロス氏は中国両会の公衆衛生の議題に関する議論に注目しており、これには危機警戒能力の向上、生物学と医薬品の研究強化、感染症の再発防止が含まれるという。
エジプトのエジプト中国商会のディア・ハーミ事務局長は、「両会が『一帯一路』(the Belt and Road)の枠組の下での経済貿易と公衆衛生分野での協力強化に関する議題を議論することを期待する。中国は感染症の予防管理で非常に独特の経験をしており、これにより『一帯一路』の枠組内での衛生・健康をめぐる協力強化がとりわけ重要であることがはっきりとわかる」と述べた。
キーワード4:国際協力
感染症の打撃の中、反グローバリゼーションと保護貿易主義が台頭した。国際マクロ経済政策の協調を強化し、グローバル産業チェーン・サプライチェーンの安定とスムーズな流れを維持することは、世界経済の迅速な復興にプラスであり、国際社会の共同の願いに合致する。
韓国の檀国大学政治外交学部の金珍鎬教授は、「今年の両会で中国が開放をさらに拡大し、世界経済との連携を深め、地域経済協力を促進し、世界の産業チェーンを安定させることなどをめぐって新たな政策・措置を打ち出すのを見られると期待する」と述べた。
英国ダーラム大学中国発展研究院の郭傑執行院長は、「中国の企業活動再開はグローバル産業チェーン・サプライチェーンの安定を守った。ポスト感染症の時代には、グローバル化が引き続き未来の経済成長の基礎になる。両会がどのような関連の政策・措置を打ち出すかは注目に値する」と述べた。
キーワード5:対外関係
世界の過去100年間にも見られなかったほどの大きな変化の局面における感染症という「ブラックスワン」に直面して、中国の対外政策も広く注目を集める。
メキシコ紙「ディアリオ・デ・メキシコ」、アルゼンチン紙「クラリン」など中南米地域のメディア関係者は、「中国と米国は世界の大国であり、中米関係の動向は世界に大きな影響を及ぼし、米国に隣接する中南米地域にとってはさらに影響が大きい。両会の中米関係に関する議題に非常に注目している」と述べた。
エジプトのベニスエフ大学のディア・ヒルミ教授(政治学)は、「中国は両会を通じて対外関係の面で積極的なシグナルを発するだろう。これにはより緊密な国際協力関係を構築し、国際社会の貧困削減、感染症予防管理、発展実現のために寄与すること、より公正で合理的な国際秩序の構築に努力することなどが含まれる」との見方を示した。
「人民網日本語版」