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商務部報告書「中国対外貿易の基本面の安定に基礎と支えある」
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商務部(省)総合司と商務部国際貿易経済協力研究院は15日、「中国対外貿易情勢報告(2020年春季)」を共同で発表した。同報告は、2019年と2020年1-5月の対外貿易の運営状況を振り返り、20年の対外貿易の発展環境を分析している。
同報告は、「2019年は、グローバル経済貿易が全体として鈍化する背景の中、中国の対外貿易は流れに逆らって増加し、規模は過去最高を更新し、安定の中での質の向上を達成し、質の高い発展が新たな成果を上げた。2020年の対外貿易の発展は環境の不確実性の増大に直面し、産業チェーンとサプライチェーンの循環が滞り、国際貿易投資が縮小した。中国国内の企業は、とりわけ中小企業は困難が顕在化し、雇用の圧力が増大し、中国対外貿易の発展が直面するリスクと挑戦は非常に複雑で厳しいものとなっている。これと同時にしっかりみなければならないのは、中国国内で新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に緩和されるのにともなって、経済・生産活動が通常に戻りつつあり、通年の対外貿易の基本面を安定させ、対外貿易の安定促進と質の向上を実現する上でやはり着実な基礎と力強い支えがあるということだ」と指摘した。
中国の措置は迅速で力強い
同部のまとめたデータによると、感染症の影響を受けて、1-5月には、全国の輸出入額が前年同期比4.9%減少したが、引き続いて「民間企業の輸出の占める割合が上昇」、「中部・西部地域の輸出の占める割合が上昇」、「主要コモディティの輸入は量が増加し価格が低下」といった注目点があった。
同報告は、「感染症が対外貿易に与えた非常に大きな打撃に直面して、中国政府は対外貿易安定のための一連の政策措置を迅速に打ち出し、政策の『合わせ技』を繰り出し、対外貿易の基本面の安定に全力を尽くした」と指摘した。
南開大学国際経済貿易学部の彭支偉学部長は取材に答える中で、「グローバル貿易大国として、中国は感染症に対応する過程で一連の実効性のある措置を取り、多くの対外貿易企業の市場、注文、協力、シェアの維持を助け、対外貿易分野のマーケットエンティティを最大限保障し、貴重な成果を上げた」と指摘した。
彭氏は、「今年1-5月の状況をみると、対外貿易の輸出入の減少幅はマクロ経済全体の減少幅を下回り、これは1つの側面から対外貿易安定の積極的な成果を裏付けるものだ」と述べた。
「安定促進と質向上」のポテンシャルは巨大
同報告は、「現在、中国国内で感染症の影響が徐々に緩和されるのにともなって、経済・生産活動が通常に戻りつつあり、通年の対外貿易の基本面を安定させ、対外貿易の安定促進と質向上を実現する上でやはり着実な基礎と力強い支えがある」との見方を示した。
同報告の分析では、「短期的にみると、中国対外貿易の発展が直面するリスクと挑戦はかつてないほどのものだ。長期的にみると、中国には厚みのある産業の基礎と世界で最も体系が整った工業システムが備わり、中国と関係国との貿易協力の基礎は堅固なもので、ポテンシャルは十分にある。中国の製品は高品質・低価格で、評価が高く、感染症の流行中に防疫物資の輸出が急増し、越境ECなどの新業態が勢いよく発展し、ここから中国対外貿易の強靱性の高さ、ポテンシャルの大きさ、競争力の強さという特徴が十分にうかがえる」という。
前出の彭氏はさらに踏み込んで、「2019年は、グローバル経済貿易が全体として鈍化する背景の中、中国の対外貿易は流れに逆らって増加し、規模は過去最高を更新し、安定の中での質の向上を達成し、質の高い発展が新たな成果を上げ、国民経済と社会の発展に積極的に寄与し、グローバル経済貿易の回復成長に原動力を注入した。こうしたことはすべて、中国の『対外貿易の基本面の安定』や『質の高い発展実現』に向けた自信になる」と述べた。
また彭氏は、「実践の側面からみると、対外貿易の受注には一定のタイムラグがあるのが普通で、そのためこれまでに獲得した注文が徐々に消化されるのにともなって、今後数ヶ月間は中国対外貿易企業が受ける試練はより一層困難なものになる可能性がある。これに対し、中国は一方で金融政策、財政政策などのマクロ政策の反循環的調整の度合いを一層強化し、『六つの安定』と『六つの保障』に全力で取り組む必要があると同時に、『改革』と『開放』に向けて持続的に原動力を求め、対外貿易企業がよりよいビジネス環境と貿易環境を享受できるようにすることも必要だ」と述べた。
「人民網日本語版」