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06.27 09:42

預金準備率と金利を引き下げ 中国が中小零細企業の支援を強化

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中国で、24日の中小零細企業向け融資と債務の株式化を狙った預金準備率引き下げの発表に続き、中国人民銀行(中央銀行)などが25日に共同で「中小・零細企業向け金融サービスの深化に関する意見」を発表した。小企業と農業を支える借換と再割引の限度額を計1500億元増やし、中小企業向け借換金利を0.5ポイント引き下げるなどの措置が打ち出された。

 

具体的にみると、今回の「意見」は、金融政策、監督管理審査、内部管理、財政・税務インセンティブ、環境最適化などの措置を打ち出し、金融機関へ中小・零細企業に対する金融支援の強化を促すもの。中小零細企業の融資難と融資コスト高を緩和することで企業コストを下げ、経済モデル転換・高度化と新旧のエネルギー転換の促進を図る。

 

一、金融政策の支援度を拡大し、金融機関に与信500万元以下の中小零細企業向け貸出を促す。

 

二、財政・税務政策インセンティブを拡大し、金融機関の中小零細企業支援の積極性を高める。

 

三、貸出コストと貸出投入のモニタリング審査を強化し、企業コストを大幅に引き下げる。

四、融資チャネルの多様化の拡大と、ビジネス環境の最適化を進め、ローン詐欺や不正受給などの違法行為を厳しく取り締まる。

 

2017年第4四半期以降、中小零細企業向けに預金準備率が3度引き下げられたことについて業界関係者は、政府当局が中小零細企業を重視していることが分かると指摘。特に、借換金利と公開市場操作金利の性質が似ていることを考慮すると、中小零細企業の貸出金利も大幅に下がる見込みで、中国人民銀行による今回の借換金利引き下げは、中小企業を対象とした預金準備率引き下げとある程度みなすことができると分析した。

 

中信証券アナリストの明明氏は、金融システムの流動性に構造的不均衡がみられるなか、中小零細企業にとって中・小規模銀行から融資を受ける難易度が増し、特に流動性縮小時に与信を引き締める銀行が貸出先を慎重に選択すれば、元利償還能力が劣る中小零細企業が相手にされない窮地に陥ることになると説明。それを踏まえ、金融と財政・税務の政策上、政府と中央銀行が中小零細企業を重視して、より多くの支援を行う必要があるとの見方を示した。


「このような支援は、与信資源分配の不均衡を逆転するだけでなく、経済レバレッジ解消の大局にも影響を及ぼさない。非金融企業部門のレバレッジは国有企業と大企業に集中するため、構造的なレバレッジ解消が進むのはこうした企業のレバレッジとなる」。聯訊証券チーフマクロ研究員の李奇霖氏はこのように話す。また、借換と組み合わせた指向的な預金準備率引き下げによる流動性の緩和は、一種の「小規模な刺激策」となり、インフラと消費の伸び鈍化がもらたす経済下振れ圧力をヘッジすることが可能とみている。





(チャイナネット)


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