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09.04 09:21

中国新エネ車産業に複数のリスク 生産能力過剰や資源制約

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中国の新エネルギー車生産・販売台数が3年連続で世界一になった。しかし、発展の裏には問題も潜んでいる。


9月1日と2日に開かれた2018中国自動車産業発展(泰達)国際フォーラムで、中国の新エネルギー車産業に存在する問題が関心を集めた。


中国の新エネルギー車産業の発展は誰の目にも明らかである。産業規模を見ると、新エネルギー車生産・販売台数は2009年の約500台から今年は150万台に増加する見通し。技術レベルについては、新エネルギー車主流モデルの航続距離は300キロ以上になった。国際競争力は、2017年に中国の4社が世界新エネルギー車販売台数トップ10に入った。


財政部経済建設司の宋秋玲副司長はフォーラムで、「中国の新エネルギー車産業の発展は流れに逆らって進むという肝心な段階にある」と述べた上で、3つのリスクがあると指摘した。


1つ目のリスクは構造的な生産能力過剰。宋秋玲氏によると、構造上、中国の新エネルギー車にはハイエンドモデルの生産能力不足とローエンドモデルの生産能力過剰が並存する。産業に盲目的な拡張、投資加熱の兆しが見られ、低水準の企業は低品質・低価格という方法で市場を乱し、産業全体のレベル向上に影響を与えている。


2つ目のリスクは市場競争。この競争は従来のガソリン車、海外の新エネルギー車ブランドによるものである。「中国の新エネルギー車と従来のガソリン車には明確な競争優位性がなく、世界の先進的な新エネルギー車とも大きな差がある」と宋秋玲氏は話す。

財政部関税司の馮晋平司長はフォーラムで、中国は今年7月1日から完成車と部品の輸入関税を大幅に引き下げ、完成車の78%と部品の81%が対象になっていると紹介。これは加速期間にある国産新エネルギー車に生存の圧力をかけることになるという。


3つ目のリスクは資源環境の制約。宋秋玲氏によると、新エネルギー車の増加に伴い、世界の金属資源争いが激化している。中国はリチウムやコバルトなどの主な動力電池資源が不足しており、資源の安定した供給と価格の安定という試練がある。また、動力電池のリサイクル、電力クリーン化などの問題も浮き彫りとなっている。


中国科学院院士・清華大学自動車工学部教授の欧陽明高氏は、中国の自動車市場の開放が進むにつれ、多くの外資新エネルギーブランドが中国市場に進出するようになり、2020年以降の中国の電気自動車分野の競争構造は全面的に変化すると見ている。


そのほか、新エネルギー車産業における技術イノベーション不足もフォーラムの話題になった。


宋秋玲氏は、「中国の動力電池技術はまだ根本的な飛躍を遂げておらず、新エネルギー車の一部部品は制約を受け、燃料電池自動車の産業チェーンは遅れている。また、商品の質も海外の先進レベルとまだ差がある」と指摘した。


燃料電池技術について、欧陽明高氏は「膜電極は燃料電池スタックのコストの70%を占め、燃料電池のチップと同じ比率に相当する。しかし、中国はまだこのコア技術を突破していない」と紹介した。







(チャイナネット)


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