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09.04 09:22

中国の海外直接投資、直近10年間の平均伸び率は約30%

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中国国際貿易促進委員会研究院は先ごろ「中国の海外直接投資戦略研究報告」を発表し、中国の直近10年間における海外直接投資(FDI)の年平均伸び率は27.2%に達したとして、「海外投資大国」の仲間入りをしたと明らかにした。


発表によると、2017年のFDIはフローベースで約1246億3000万ドル、世界ランキングは第3位、ストックベースでは1兆4820億2000万ドル、世界ランキングは第8位だった。中国資本の世界的な影響力が強まっていることがうかがえる。


保護主義的な通商政策が強まるなか、2018年1~7月の中国の非金融分野のFDIは前年同期比14.1%増の652億7000万ドルに上った。世界全体のFDIの伸び率が18年通年で最大10%にとどまる見通しであるのに対し、中国は1~7月でこれを上回る伸びを達成。さらにストックベースでもフローベースでも、同じ時期の主要先進国を遥かに上回る水準を確保した。


2016年時点の中国の1人当たりの国内総生産(GDP)は8123.18ドルだったが、この年のFDIフローを、主要先進国の1人当たりのGDPが8000ドルだった年のFDIフローと比べてみると、米国の9.28倍、英国の2.41倍、ドイツの9.45倍、日本の19.26倍にもなる。同じく中国のFDIストックを比べてみると、米国の11.16倍、英国の1.86倍、ドイツの13.49倍、日本の24.38倍にもなることが分かる。

次にFDIの国別分布状況をみると、バランスよく分散化されてきていることが分かる。2015年以降、中国のFDIは調整期間を経て、資源確保型からグローバル・バリューチェーンの構築と技術導入型へのシフトを進めており、投資先も一つの市場に偏重することなく、発展途上国と先進国の両方に分散させるようになった。


また、FDIの業種別分布をみると、論理的な投資を行うようになったことが分かる。2015年以降、中国のFDIは量的な伸びが鈍化した一方で、投資構造が最適化し、質や収益性の向上がみられるようになった。2018年1〜7月の推移をみると、主にリース業、ビジネス・サービス業、製造業、採鉱業、卸売業、小売業へと軸足が移り、リスクの高い不動産業、スポーツ・エンターテインメント業への新規投資はなかった。


中国国際貿易促進委員会研究院国際貿易研究部の趙萍主任は、「国内外の経済情勢が移り変わるなか、中国の海外投資戦略を改めて見直すことが重要だ」と指摘。均衡ある成長や双方向の開放、市場志向型、利益重視といった点に注視し、FDIの制度面の整備や産業構造の最適化、国際競争力のある中国グローバル企業群の育成に力を入れるべきとの見方を示した。






(チャイナネット)


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