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「養老金の市場参入」、次の点に要注目
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「養老金の市場参入」は人々が関心を寄せる老後の問題であり、資本市場の中長期資源の出処とも関わってくるため、常に大きな話題となっている。人力資源社会保障部が先ほどデータを発表したことで、再び「養老金の市場参入」が注目の的になった。それでは「養老金の市場参入」については、何が期待できるのだろうか。
注目点その一 8000億元弱の養老金が投資へ、何を意味するのか
9月末まで18省(自治区・直轄市を含む)の政府が全国社会保障基金理事会と、基本養老保険基金投資委託契約を結んだ。契約額は9660億元で、うち7992億元の資金が振り込まれ、投資が始まっている。人力資源社会保障部が今年第1・2四半期の記者会見で発表したデータによると、地方の養老金の振込・投資額が増加傾向を示している。
注目点その二 8000億元弱の養老金、どの程度市場に進出するのか
養老金の投資について語るならば、国務院が2015年に印刷・配布した基本養老保険基金投資管理方法について言及しなければならない。これは現在、養老金の投資を指導する重要な根拠の一つになっている。
同方法によると、基本養老保険基金は域内投資に限定され、投資先が厳しく限定されている。権益性資産は30%未満。これは株式、株ファンド、株式型養老金商品の投資の割合が、養老基金純資産の30%未満になることを意味する。つまり8000億元弱の養老金のうち、株式市場に進出するのは最大でも2400億元未満程度になることを意味する。
中国養老金融50人フォーラムの董克用秘書長は、「これは養老金投資の過程において、この割当を十分に用いることを意味しない。養老金投資は銀行預金、中央銀行手形、各種債券、権益性商品の総合的な投資により、投資の穏健性を確保する。具体的な投資の比率は各方面の要素を考慮する」と指摘した。
注目点その三 「養老金の市場参入」の成長空間、第2・3の支柱にあり
業界内の専門家は、一般人の間では「養老金の市場参入」に関する誤解があり、基本養老保険金の株式投資が真っ先に想定されると指摘した。中国の養老制度の発展の流れを見ると、この認識は一面的だ。
社会から注目が集まっている「8000億元弱の養老金が投資へ」の養老金とは確かに基本養老保険金、つまり俗に言う「養老保険」だ。全国社保基金会は2011年と2015年より広東省及び山東省の基本養老保険繰越基金の管理を受託しており、2016年より地方基本養老保険基金繰越資金の管理を統一的に受託している。最新の受託規模は8000億元弱にのぼる。
専門家によると、この部分の資金は現在、国家主導の基本養老保険の「資金トレイ」、すなわち、養老の「第1の支柱」から得られている。しかし高齢化の進行に伴い、中国の養老制度には「第2の支柱」(企業年金と職業年金)、「第3の支柱」(家庭もしくは個人による養老貯蓄投資)を発展させる切実な需要が生まれている。
(チャイナネット)